Lifestyle

第2回 炊飯器
戸井田園子さんの家電deアンサー

家電コーディネーター
戸井田園子さんが、
キッチン家電の買い替えのコツを
アドバイスします。

取材・文/上坂美穂  イラスト/添田あき

大抵の人が『家電は故障した時に買い替える』と考えがちですが…、実際に、お宅に訪問してみると、子供が巣立ったから…、掃除する時間がない..など、家族の人数の変化、ライフスタイルの変化に応じて、買い替える方も少なくありません。
そこで、今回は人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の家電コーディネートも手掛けた、戸井田園子さんが登場。ライフスタイルの変化に応じた家電選び方について聞いてみました。戸井田さんは、ご自宅で5台の炊飯器と8台の掃除機を毎日使い分けるとか。そんな実践派ならではの視点を伺ってみました。

>第1回 冷蔵庫の選び方はこちら

今回はこんな人におすすめ

シニア世代
●おいしいご飯が食べたいのでその都度炊いている
●保温したご飯はおいしくないし、冷凍は面倒だし味が落ちる気がする。
●グルメ志向で高級炊飯器を試したい
●お米のブランドごとに炊き分ける「ご飯のソムリエ」気分に。
子育て世代
●毎日お弁当を作る。
●子どもが運動部でご飯をたくさん食べる。ご飯がないと怒られる。
●夫の帰宅時間が遅いのでいつも保温のご飯でかわいそう。

―まず、今のシニア世代が炊飯器に求めているものはなんで しょうか?

戸井田さん
子どもが独立したシニア世代は、たくさんの量のご飯を炊くというより、おいしいものを少量食べる方向にシフトしている傾向があります。
少量のご飯をその都度炊くスタイルです。
保温のご飯はまずい、冷凍は嫌いという意識もある世代ですね。
二人暮らしのシニア層には、5合炊き※より、3合炊きの炊飯器が好まれます。
容量の80パーセントで炊くとおいしいんです。
だから3合炊きで2合炊いて、おいしく食べたい。
食べる都度炊いて、ちょっと残ったご飯はお酒の〆のお茶漬 けにしたりするという方もいます。

※実は大半が5.5合炊きだが、一般的には「5合炊き」と総称される。

―10万円以上する高級機種も売れていると聞きますが?

戸井田さん
最近の炊飯器は、炊き立ての味を追求した高級機種と、中価格帯の多機能の機種がどちらも支持されています。
グルメ機能を追求するなら、高い火力や独自の炊き方、釜の素材にもこだわった高級機種。
コシヒカリとかササニシキとかの「銘柄炊き」ができるものもあります。
一方、忙しいのでおかずとご飯をいっぺんに調理したり、炊飯器で手軽に煮物を作ったり、ケーキも焼いたりしたいなら多機能の炊飯器ですね。
こちらは鍋を兼ねているという考え方。
高級炊飯器になればなるほど、米以外のものを炊飯するなん て! という「職人」気質になるというか(笑)。

―では、子育て世代の炊飯器の悩みはどういったものでしょうか?

戸井田さん
朝ごはんを食べて、数人分のお弁当作りをすれば、朝に5合炊いてもなくなってしまう。
そんなお宅では、保温機能よりもむしろ、お米のストック場所がほしいかもしれませんが…(笑)
一方で、「炊飯器にご飯がないと食べ盛りの子どもに怒られる」というご家庭もありますよね?
その場合は、保温が上手な炊飯器をおすすめします。 24時間ご飯体勢!  40時間が最長保温時間で、炊き立てがほぼ維持できるのが人気です。
仕組みとしては真空にして酸化を防いだり、定期的にスチームで潤いを足したりするなど各社独自の機能が開発されています。
帰宅が遅くて食事時間がずれているパパにも、食べる前に炊き立てに戻すコースを使えば、あたためなおしてスチームを入れるのでほぼ炊き立てのご飯が食べられます。

例えば…こんな炊飯器

象印マホービン
圧力IH炊飯ジャー「炎舞炊き」
NW-KA10

グルメなお米を極めたい人に。IHヒーターの配置が独自で、炎のゆらぎを再現したのが特徴の高級機。
https://www.zojirushi.co.jp/syohin/ricecooker/sp_contents/nwka/

タイガー
IH炊飯ジャー「炊きたて」
JKT-J101

付属のクッキングプレートを内鍋の上にセットして、下で炊飯・上でおかず調理、と上下同時に作れるのが特徴。まさに多機能、もう一つの鍋のように使える。
https://www.tiger.jp/front/productdetail/confirm?productId=JKT-J1

from c.c.cafe

どうして戸井田さん?

『私が使うのに、選ぶ段階になると主人がいろんな付帯機能を欲しがって…』。仕事上、消費者調査を行うことがよくありますが、キッチン家電の購入動機を伺うと、こんな回答が返ってくることよくあります。  言われてみれば、確かに、家電評論の本は男性誌コーナーにあるのが定番です。大抵は男性評論家がかなりマニアックな視点で機能分析したり。でも、実際に使う主婦の視点ってどうなんだろう?使い勝手やニーズも男性とは異なるのでは?そんな疑問を抱えながら、主婦目線の家電評論家を探すうちに、戸井田さんにお目にかかるまで、約1年の歳月が過ぎまていました。

戸井田さんは、毎日異なる炊飯器を使い分けて…掃除機も8種類を交互に使って比較する。そんな生活ぶりを伺って、こんな方に是非お伺いしたい!と盛り上がったことを憶えてます。そんな戸井田さんは取材対応もユニーク。某電気店を最上階から各階歩きながら、主婦の買い物目線で、実際に商品を見比べながら説明してくださいました。これも期待以上。プライベートコンシェルジュを雇ったような気分で、本当に贅沢な時間でした。今回は、その中のほんのお裾分けですが、とても有益なので、ぜひ、ご覧下さい。

戸井田園子さん

といだ そのこ

大手プレハブメーカーでインテリアコー ディネートを担当し、インテリア研究所を 経て商品企画部へ。その後、インテリア& 家電コーディネーターとして独立し、情報ポータルサイトAll Aboutはじめ、人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の家電コー ディネート、テレビや雑誌の家電企画など幅広いメディアで活躍。家電業界出身ではない中立的な立場と消費者目線での製品評価や、分かり易い解説をするのがモットー。お掃除ロボットなど、使うことで家事から解放され時間を産むことを「時産」と命名し、積極的な活用を提唱中。