日本代表のカラダを作った栄養士
管理栄養士/公認スポーツ栄養士 金子香織さん
「2015年に行われたワールドカップでは日本代表が南アフリカに勝利したとき、真夜中でしたが泣きながら大声を出して喜びました!」と語る管理栄養士の金子香織さん。選手たちのメニュー構成や食べ方を指南し、食事を通して日本代表をサポートしてきました。
撮影/福井麻衣子 取材・文/山本久美 イラスト/添田あき
撮影協力/エコトコファーマーズカフェ、所沢ラグビースクール
※c.c.café68号にて本誌掲載した内容です。

口にしたものからカラダは作られる
「選手たちには具体的に必要な食材や料理の選び方などを伝えていました。口に入れたものからカラダは作られますから」
そう、選手たちにとって食事イコールカラダ作り。
そこで今回は、子供がスポーツで“勝てるカラダ”を作るための食事について金子さんに伺いました。

日本代表チームもカラダを作って勝利へ。
〈日本代表の選手の食事〉
勝つためのメニューと食事の摂り方
日本代表の合宿はビュッフェスタイル。 選手各自で必要な食事を選びます。 激しいトレーニングを行う日本代表の選手は多くのエネルギーや栄養素が必要になってくるため、写真(右)のメニューのようなバランスのよい食事が必須。 主食はご飯とそばの2種類で炭水化物を補給し、主菜は肉・魚・納豆など数種類を組み合わせて良質なたんぱく質をしっかり摂取。
主食:ご飯、日本そば 主菜:鶏胸肉のロースト、鮭のちゃんちゃん焼き、豚肉のソテー、納豆 副菜:茹でブロッコリー、かぼちゃ、ほうれん草ソテー、サラダ、キヌア 乳製品:ヨーグルト くだもの:ベリー類、オレンジ
主食:ご飯、日本そば 主菜:鶏胸肉のロースト、鮭のちゃんちゃん焼き、豚肉のソテー、納豆 副菜:茹でブロッコリー、かぼちゃ、ほうれん草ソテー、サラダ、キヌア 乳製品:ヨーグルト くだもの:ベリー類、オレンジ

日本代表の選手は1日7回の食事と捕食
食事に加え、激しい練習の回復のためには、練習後すぐに炭水化物+タンパク質を補給することがリカバリーのポイントなのだそう。
食事に加え、激しい練習の回復のためには、練習後すぐに炭水化物+タンパク質を補給することがリカバリーのポイントなのだそう。
運動×食べ方のタイミングとバランス
ラグビー日本代表の選手が行っていたのは、食べるタイミングと質を考えた補給です。 例えば練習後は回復のために炭水化物やたんぱく質を含むリカバリーフードをすぐ摂取する。 試合開始3時間前に炭水化物中心の食事を摂り、きちんと消化してエネルギーにするなど選手たちにとってベストな摂取方法を行っていました。 「最高のパフォーマンスをするためには基本の食事プラン捕食が大事。練習前後にはおにぎりなどの捕食を摂ることで食事では補いきれないエネルギーをカバーします」家庭で守る、続けるポイントは
基本的な食事スタイルはアスリートと同じく主食、主菜、副菜、くだもの、乳製品。 家庭でも炭水化物を多く含むご飯やパン、芋類などをしっかり食べたうえでおかずでバランスよく。 カレーや豚汁の具を増やせば手軽に主菜と副菜を兼ねられます。 さらに運動と睡眠のバランスも重要と金子さん。 「現代の子どもは運動量が減っている。食べることも大切ですが、体を動かすことも大切。 しっかり動いて、たくさん食べる。そしてたっぷり眠る。3つのバランスが強い体を作るのです」知っておきたいシーン別メニュー
疲労回復 エネルギー補給のための炭水化物とビタミンB1を含む雑穀おにぎりや全粒粉パンがおすすめ。 カラダ作り 筋肉の材料となるのは肉、魚、卵、大豆のたんぱく質。骨の素材には小魚や乳製品で。 頭が働く(集中力) 午前中の授業の集中力は朝食がカギ、主食や果物を摂り、脳へエネルギーを。 眠れる&リラックスする リラックスしたいときや安眠したいときにはトリプルファンを含む牛乳、豆乳を。 金子さんの息子さんも所属する所沢ラグビースクールの子どもたち、水分補給への意識は高いです。

金子さんの息子さんも所属する所沢ラグビースクールの子どもたちも、 水分補給への意識は高いです。