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スポーツの最前線を取材する
生島さんの視点がここに

スポーツの最前線を取材する
生島さんならではの
視点がここに

取材・文/生島淳  撮影/富貴塚 悠太

ラグビー日本代表
山田章仁選手の取材を終えて、
生島さんならではの
感想を伺ってみました。
〈第1回〉

慶応大学でプレーしていた時から、山田章仁選手は、人一倍ト レーニングに熱心だな、と思っていました。
どん欲に体の機能、動きを研究していて、「大学生にしては珍しいな」と感じていたのです。
今回、取材をしてみて、そのストイックさは「家庭」に由来しているのではないか、と気づかされました。
毎朝、30品目にも及ぶ総菜を食卓に並べたお母さまは、準備が 大変だと思うよりも、きっと楽しみながら朝食の用意をしていたのではないでしょうか。
そしてその気持ちが息子に伝わり、食事だけでなく、身体機能へと興味が向かい、30歳を超えた今も世界の第一線で活躍できる体を保持しているように思うのです。
その努力の結晶が、2015年のワールドカップでした。 歴史に残る大番狂わせを起こした南アフリカ戦だけではなく、山田選手がサモア戦で見せたトライは、大会のベストトライのひと つに数えられています。
山田選手はゴール前でパスをもらうと、タックルに来た相手選手 をスピンしながら(体をくるりと一回転させたのです)、その後にすぐさまゴールラインへとダイブしました。
これはまさに“超個人技”と言っていいトライで、山田選手がこれまで取り組んできた体の強さ、そして動きが大舞台で披露された 一瞬でした。
ただし、この素晴らしい瞬間を生み出すためには、自分を選んでもらうためのプレゼンテーションも必要だったようで、そのあたりのメンタリティの強さについては、次の機会に譲ることにしたいと 思います。
次回は、そうしたメンタルの強さを含め、「ビッグタイム・プレー ヤー」と呼ばれるようになった山田選手のフィジカル、体のメンテナンスについて聞いていきます。

from c.c.cafe

どうして生島さん?

この連載はスポーツライターの生島淳さんにお願いしています。スポーツ関連のTV番組や雑誌で活躍する生島さんだけに、 スポーツファンならご存知の方も多いはず。 そんな生島さんですら、スポーツそのものに焦点を当てない取材は、あまりないとのこと。 中には、生島さんならではの経験談も登場するようなので、その点もお楽しみに。

生島淳さん

いくしま じゅん

1967年宮城県生まれ、早大卒。五輪は1996年のアトランタ大会から取材。著書に「箱根駅伝ナイン・ストーリーズ」、「エディー・ジョーンズとの対話」など。