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【第2回 ラグビー山田章仁選手】 生島淳の取材日記「アスリートのメンテ力」|生島さんが感じた山田選手の強さのヒミツとは?

取材・文 生島淳     撮影 富貴塚 悠太

2015年のラグビー・ワールドカップで、過去2回の優勝を誇る南アフリカを破り、「ブライトンの奇跡」と呼ばれたラグビー日本代表。

その14番を背負うのが山田章仁だ。

「ビッグゲーム・プレーヤー」と呼ばれる山田を支えるのは、様々なエリアに及ぶ「メンテナンス力」だった。

母がつくる30品目の朝食が食生活の基準に

アスリートは体が資本ですから、食事には気を使っていますね。

キーワードは「バランス」です。

肉を食べるにしても牛肉、豚肉、鶏肉と偏りがないようにして、もちろん副菜には野菜を加えます。

僕がこうして食事に配慮するようになったのは、母の影響が大きいと思っています。

僕は福岡の北九州で育ったんですが、母は僕が高校を卒業するまでの間、朝食の食卓に必ず小皿で30品目のおかずを並べてくれたんです。

今思うと、どれだけ支度に時間をかけてくれていたのかと驚いてしまうんですが、朝の食卓に出てきたものを食べ終わらないと学校に行かせてくれなかったんです(笑)。

30分くらいかけてなんとかお腹に収めて、それで学校に走っていく。

消化に良くなったんですが、仕方がなかったです(笑)。

慶応大学に入学してからも、食事の面では気を使いました。

学生ですから、ジャンクフードが好きな仲間もいましたが、僕としてはしっかりと「食べて体をメンテナンスする」習慣が身についていたので、学生としては食事を意識できていたかな、と思います。

世界で活躍するために世界の水に身体を慣らす

いまは食事の世界も、ものすごく進化してますよね。

年々、選択肢が増えているのがすごく楽しいです。

時には「スーパーフード」と呼ばれる食品も取り入れたりして、食事の質を高めることが体のメンテナンスにつながっていると思います。

そして、大切なのがです。

僕は北九州にいるころから「世界で活躍できるプレーヤーになりたい」という思いがあって、そのために必要なことを考えてきました。

そして世界中に遠征に行くようになり、どの国で試合をするにしても、水だけは飲めることに気づいたんです。

たとえば、特定のドリンクに頼っていると、それがストレスになります。

水ならば、大丈夫ですよね。

いまの僕の考え方は、その国の水に慣れれば、プレーは出来るってことなんです。

生島淳 (いくしま じゅん)
 1967 年宮城県生まれ、早大卒。五輪は1996 年のアトランタ大会から取材。著書に「箱根駅伝ナイン・ストーリーズ」、「エディー・ジョーンズとの対話」など。