Lifestyle

自分の生活や性格に合った
収納とリフォーム

リフォーム実績とデザイン賞受賞多数の
建築家 青木律典さんが、
住まいのお悩みにお答えします。


撮影/石田 篤

c .c .caféが最近特に注目しているのが、ライフスタイルの変化に伴うリフォームの関連性です。
空間deアンサーでは、その中でもお悩みが多いテーマに絞って、建築家の青木律典さんに聞いていきます。

>第2回 子育て・シニア世代のリフォームはこちら

―収納問題はリフォーム相談で必ず出てくるテーマですよね?

青木さん
どの世代の方々も、声を揃えて「収納スペースは、できるだけたくさん」とおっしゃいます。
リフォーム設計には、収納対策が半分ぐらいを占めますね(笑)。

―心がけている点はありますか?

青木さん
僕が心がけているのは、依頼者の現在の収納状態と生活スタイルを、できるだけ詳細に把握することです。
すると、「収納がたくさん欲しい!」とおっしゃっている方ほど、本当に収納が足りていないのか、それとも実際には足りているのに非効率な使い方になっているだけなのかが、ある程度は把握できるんです。
そこから、本当に必要な収納のあり方を、ご依頼の方と一緒に考え始めます。

―本当に収納が足りない人は、そもそも何が多くて収納が足りない状態なのでしょうか?

青木さん
圧倒的に服が多いですね。
夏物、冬物が同時に出ていることや、服を一つ買った時に、一つ捨てるということができないから衣類がどんどん増えていく。
最近の気象は、突然15℃くらいの寒暖の差がでる日もありますから、季節が変わっても服を出したままになるのは理解できなくもない。
ですが、真夏にダウンコートはいくらなんでも不要でしょう(笑)?
理由はいろいろあれど、収納が足りない人は、洋服やアクセサリー、靴をたくさん持っていらっしゃいますね。
服の他に多いのは置物、小物などの飾り物。
そして客用の布団、未開封の貰い物がクローゼットや押入れに眠っていることも共通項でしょうか。

―そんな方々が、リフォームで収納をオーダーするとき、どんな点 に気をつければいいでしょうか?

青木さん
収納は、たくさんあればいいというわけでもありません。
必要なところにあることが大切です。
そして、取り出しが便利で、すぐ出し入れできること。
たっぷりの収納でも離れた場所にあれば使いにくい。
そして、住む人の性格にもよるところがあります。

―住む人の性格を収納のタイプで分けるとどんな感じでしょう?

青木さん
物が多い人、少ない人、片付け上手、片づけ下手、それぞれのタイプに応じた収納があるように思います。
片付け下手で物が多い人には、隠せる扉が必要でしょう。
片付け上手なら、見せるオープン収納にしてすぐ取り出せるほうがいい 人もいます。
玄関周辺の収納は、毎日の出し入れが頻繁なケース が考えられるし、週末に使用が限定されたアイテムには不向きかもしれません。
それぞれの部屋にどんな生活導線が想定できるのか?も関係してきます。  

まずは、普段の生活を振り返りながら、新しい住まいでの生活 を想像してみる。
そして、家庭の物の数を把握しながら、必要なものと不必要なものを仕分けする。
新しい家にも必要かどうか判断して、処分するものは処分してから、新しい生活における収納計画をスタートさせるということではないでしょうか。
収納計画とは、自分の生活を見つめ直すいい機会でもあり、それこそが、リフォーム&リノベーションの醍醐味でもあるように思います。

from c.c.cafe

どうして青木さん?

青木さんは、人気雑誌のリフォーム特集でもよく紹介される東京に事務所を構える建築家。
二子玉川の某人気家電屋さんでセミナーをされるなど、その評判は折り紙つき。
実は、c.c.caféの制作スタッフの中にも、青木さんに家のリフォー ムを依頼した経験者がいます。
実際にお願いしてみたから分かるのは仕上がりはもちろん、顧客の目線に立って、生活課題を空間で解決しようとする物腰の柔らかさは、噂通りの方でした。

『デザイン性が高いから、生活に不便は仕方がない。というのは、 デザイナーの言い訳に過ぎないと思います』。
取材の後の一言には、建築家としてのプロ意識と同時に生活目線を大切されているんだなあと再認識しました。
そんな青木さんのリフォームやリノベーションをぜひお楽しみください。

青木律典さん

あおき のりふみ

建築家。LIXIL デザインコンテスト審査員特別賞、JID AWARD2014 インテリアスペース部門賞ほか受賞多数。
http://www.designlifestudio.jp/