
日本の四季それぞれに、八百屋、スーパーにはおいしい食材があふれます。大鍋に筍、たっぷりの水とぬかを入れ、コトコト煮ていると「また一年たったなあ」と、春が来たことを実感します。旬の食材はおいしいだけでなく、身体の調子を整えてくれます。夏野菜の多くは身体を冷まし、冬の根菜は身体を温めてくれます。現代では暖房が効いた部屋で、冬でもアイスクリームや冷たいビールを飲むこともありますが、それでも季節のものは意識して食べたいと思います。
旬は三段階に分けられます。値段は張りますが旬を先取りすることを「走り」、値段も安くなり多く出回るようになると「旬」、残りわずかな時期を惜しんで味わうことを「名残」といいます。今回はそれぞれたっぷり食べてもらえるように、どれもあっさりめに仕上げました。春キャベツのサラダは桜えびのほか、しらすでもおいしくできます。かぼちゃプリンのかぼちゃはホクホク、しっとりと素材によってだいぶ違います。ホクホクなら、牛乳を多めに加えてみてください。何度か試してみて自分なりのおいしさを発見してください。
1.長いものくずし煮
雪の白さを思わせる色とほっとする味の長いものサラダ

作り方
1.長いもは皮をむき2㎝の輪切りにする。鍋に入れ、水をひたひたに入れて火にかけ、柔らかくなるまでゆでる
2.さつま揚げは3等分してから薄切りに、わけぎは小口に切る。
3.長いもがやわらかくなったら湯を50㏄ほど残して捨て、弱火にかけながらおたまのウラやヘラなどでつぶす。
・さつま揚げ、おかかを加え混ぜる。
・水分が少なくなってきたら塩で調味し、火を止めて、わけぎを加えて全体を混ぜてできあがり。
(さつま揚げの塩分によりかげんする)
*メインの料理の味付けによって塩をしょうゆにしたり、みりんを少々加えたり冷めてからマヨネーズを足すなど、お試しを。
長いも | 400g | |
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さつま揚げ | 2枚 | |
わけぎ | 3~4本 | |
おかかパック | 1/2パック | |
塩 | 約小さじ1/2 |
2.長ねぎのマリネ・にんじんのマリネ
歯ごたえと酸味が後を引く 彩りも鮮やかなマリネ2種

【長ねぎのマリネ】 作り方
1.長ねぎを4㎝に切る。
2.フライパンにオリーブオイルをひき、長ねぎを入れ、少し焦げ色がついてきたら返して焼く。
3.水50㏄と塩を加え、弱火でねぎを転がしながらやわらかくなるまで火を通す。
4.酢を加え、火を止める。器に入れて、味がなじんだらできあがり。
長ねぎ | 2本 | |
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オリーブオイル | 大さじ1 | |
浄水 | 50㏄ | |
塩 | 小さじ1/3 | |
酢 | 大さじ1 |
【にんじんのマリネ】 作り方
1.にんじんは、皮をむき千切りにし塩ふたつまみを混ぜ10分置く。【A】を合わせておく。
2.10分置いた【1】をにんじんに混ぜ合わせた【A】を加えて和え、塩で味を調えて、白こしょうをふる。冷蔵庫で冷やして味をなじませる。
3.食べる直前にクルミを加えて和える。
にんじん | 1本(200g) | |
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塩 | ふたつまみ | |
酢 | 小さじ1 | |
A | 油 | 大さじ1 |
塩 | ふたつまみ | |
マスタード | 小さじ1/2 | |
白こしょう | 少々 | |
塩 | 少々 | |
くるみ(刻んだもの) | 大さじ2 |

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飯島奈美
フードスタイリスト。東京生まれ。テレビCMを中心に、広告、雑誌、屋台など食に関するさまざまな分野で幅広く活躍。「かもめ食堂」「南極料理人」「そして父になる」など数多くの映画のフードスタイリングも手がける。著書に『LIFE あつまる。』『セカイのきんぴら』『朝ごはんの献立 12のシーンとおいしいごはん』などがある。