料理 | 飯島奈美 レシピ

WEB限定   連載  

【Vol.68】ドラマの中のレシピ「NHK朝ドラ ごちそうさん」

食と愛をメインテーマとして、大きな反響を呼んだNHKの朝ドラマ「ごちそうさん」。私はストーリーを支える料理の制作を担当し、とても思い出深い仕事となりました。

今回は、「ごちそうさん」のメニューを、舞台となった大正・昭和から少し現代風にアレンジしてご紹介しますね。

女優の杏さんが演じる主人公の「め以子」は関東大震災、第二次世界大戦を経験し、波乱万丈の時代に、おいしいものを振る舞うことで人々に活力と笑顔を与えました。

食に対する思いは、め以子と同じくらい強い私ですが、生まれ育った時代は大違い。食材も調理法もキッチン設備も異なるので、古い文献で当時の食卓を調べて再現しました。もともと昔の料理書が好きで、古本市や骨董品店で見つけては集めていたので、それらが役立ちましたね。

馬介の店では料理の内容とネーミングを「創作的なものに」とのリクエストが。
「鍵盤サンド」や「河童パン」など、レトロでお茶目な名前は、監督をはじめスタッフみんなでアイデアを出して誕生した、大切なメニューです。

1.鍵盤サンド&河童パン

食パンの白色と海苔の佃煮の黒色をピアノに見立てた "鍵盤サンド"。
河童巻きのようにきゅうりをはさんだ "河童パン"。ドラマの世界観が、料理名にも反映されています。

作り方

鍵盤サンド

1.海苔の佃煮を作る。小鍋に焼のりを細かくちぎり入れ、しょうゆ、みりん、浄水を加えて火にかけ、汁気がなくなるまで弱火で加熱し冷ます。

2.食パン2枚の片面にバターを、残りの2枚の片面にわさびとマヨネーズを混ぜたものを薄く塗る。
バターを塗ったものと、わさびマヨネーズを塗ったものがそれぞれ2枚1組になる。

3.2組のパンにスライスチーズと海苔の佃煮適量をはさみラップで包んで15分ほどなじませる。

4.耳を切って食べやすい大きさに切り分ける。

河童パン

1.きゅうりは小口からスライスする。塩と浄水を合わせた塩水にきゅうりをつけ、10分ほど置いて水気を絞る。

2.食パン2枚の片面にバターを、残りの2枚の片面にからしとマヨネーズを混ぜたものを薄く塗る。
バターを塗ったものと、からしマヨネーズを塗ったものがそれぞれ2枚1組になる。

3.2組のパンに①をはさみラップで包んで15分ほどなじませる。

4.耳を切って食べやすい大きさに切り分ける。

河童パンと、鍵盤サンドを皿に盛り、お好みでパセリを添える。

材料(2~3人分)
< 鍵盤サンド >




焼のり4枚
しょうゆ大さじ1と1/2
みりん40cc
浄水30cc
食パン8枚切り4枚
バター(常温にもどす)適量
わさび少々
マヨネーズ小さじ2
スライスチーズ2枚
< 河童パン >
きゅうり2本
小さじ1
浄水50cc
食パン8枚切り4枚
バター(常温にもどす)適量
わさび少々
マヨネーズ小さじ2

2.ミセスキャベジのカレー

カレー粉と小麦粉、そしてたっぷりの野菜で作る、ちょっと辛口の懐かしいカレー。
お好みで鶏肉を加えたり、トンカツを添えてカツカレーにしても美味。

作り方

1.浄水に昆布、しいたけ、煮干しを入れ30分置き、手羽先を加えて火にかける。
沸騰したらアクを取り弱火にして30分煮て濾す。

2.玉ねぎ、にんにく、しょうがは皮を剥いてみじん切り、にんじんは皮つきのまますりおろす。

3.熱した鍋にサラダ油をひき、玉ねぎ、にんにく、しょうが、にんじんを加えて炒める。
全体的にしんなりしてなじんだら、薄力粉、カレー粉を加えて粉っぽさがなくなり香りが立つまで炒める。

4.(1)の濾したスープ800ccを③に少しずつ加えて火にかける。
弱火で10~15分煮て程よいとろみが出たら塩を加える。

5.器にご飯を盛り、カレーをかける。お好みで福神漬けとらっきょうを添える。
※お好みでウスターソースやしょうゆをかけて食べても。

材料(4人分)
ご飯4人分
玉ねぎ1個
にんじん1本
にんにく1片
しょうが1/2片
サラダ油大さじ2
薄力粉大さじ2
カレー粉大さじ2
小さじ1~1と1/2


浄水1000cc
手羽先5本
昆布1枚
干ししいたけ4枚
煮干し
(頭と内臓を取ったもの)
8尾

WEB限定
3.カスタード巻き

和菓子のようにしっとり、もっちりとした生地に、とろとろのカスタードがたっぷり。
NHKの朝ドラマ「ごちそうさん」に登場したハイカラなお菓子です。

作り方

1.カスタードクリームを作る。ボウルに卵黄と砂糖を加え、泡だて器ですり混ぜる。白っぽくなったら、薄力粉をふるい入れてさらに混ぜる。

2.鍋に牛乳を加え、沸騰直前まで温め火を止める。

3.①に②を少しずつ加えそのつどよく混ぜ、鍋に移す。

4.鍋を中火にかける。焦げ付かないように鍋底を均等にしっかりと混ぜながら加熱し、沸騰して大きな泡が出てきたら、さらに2分程混ぜながら加熱しバニラエッセンスを加え混ぜ火を止める。
※お好みでバター少々を加えても。

5.バットに④を流し入れ、できるだけ薄く広げてぴったりラップをし、バットの底に氷水をあてて急冷する。

6.生地を作る。ボウルに薄力粉をふるい入れ、塩を加えて浄水を少しずつ加えてダマにならないように混ぜる。

7.卵焼き器にサラダ油を薄く伸ばして⑥の生地をおたま1杯弱流し入れクレープ状に薄く伸ばしたら、ひっくり返して両面焼く。残りの生地も同様に焼き冷ましておく。

8.生地の手前にカスタードクリームを大さじ3ほどのせて、くるくると巻く。

材料(6本分)
牛乳200cc
卵黄2個
砂糖30g~35g
薄力粉25g
バニラエッセンス少々
※お好みでバター15g
(生地)
薄力粉100g
浄水150~170cc
少々
サラダ油適宜


飯島奈美

フードスタイリスト。東京生まれ。テレビCM を中心に広告、雑誌など幅広く活躍。「かもめ食堂」、「深夜食堂」、「海街ダイアリー」など数多くの映画のフードスタイリングも手がける。著書に、「LIFEあつまる」、「深夜食堂のレシピ帖」などがある。