料理家コウケンテツさんのエッセイ 未来の食卓|第2回 アルデンテ事変 「料理をするのがつらい」ときに読むレシピ

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料理家コウケンテツさんのエッセイ 未来の食卓|第2回 アルデンテ事変 「料理をするのがつらい」ときに読むレシピ

アルデンテ事変

 長男が小学生になり、長女が年中さんくらいのころだったかな?
 長女の担任の先生が、
 「蓮ちゃんね、よく『パパのトマトパスタめっちゃ美味しいよ!』って自慢していますよ~」

 なんとかわいい♡ そう。わたしはパスタが大好きでよく作ります。こだわりも強く。絶妙な茹で加減で家族にも提供したい。そんな妙なプロ意識を家庭に持ち込んでいた時期がありました。子供にはほどよく弾力がありながら柔らかく。僕と妻にはベストなアルデンテ。

 しかし、思い通りにならないのが子育てですよね。最高のパスタを作っても、遊びで夢中になったり、いきなりグズグズがスタートし、食べに来てくれなかったり。そう思ったらおむつの次女がう○ちをし始めた。あ~、せっかくのパスタが! またもやイライラが募る。
 そんな僕を見て、妻がひとこと、「アルデンテでも、のびのびのパスタでも子どもたちはあんまり気にしていないし、美味しく食べるから。」
 まじか。
 う~ん、ただの無駄なこだわりに過ぎなかった。妻のおかげで目の前がパーッと開かれた気分に。
 それ以来、うちのパスタはアルデンテから茹で置きのソフト麺に! それでも妻の言う通り美味しいって食べてくれるからなんの問題もなし。それに茹ですぎくらいの方が、ソースと絡めたときに、麺がソースをしっかり吸ってくれることも発見できた。発想の転換でのびのびパスタでも美味しく食べることができる。

 美味しいナポリタンのお店も、パスタを前日に茹で置きしているそうです。麺のもっちり感も増すし、ソースとよくからむかららしい。
 こだわりを捨てることで見えてくることって意外と多いと思うのです。第一気持ちが楽になりました。ごはん作りなんてこだわり出すとキリがない。自分の身の丈に合った、自分や家族の生活やスタイルに合った、自分なりのごはんでいいじゃない。そのちょうど良いバランスを目指したいな。
 妙なこだわりは自分のためだけに。家族に強要しないことも大事!

家族が楽しく食卓を囲むイラスト

ちなみに、コウケンテツさん公式Youtubeチャンネルでは、コウケンテツ流『大阪喫茶ナポリタン』のつくり方が紹介されています!


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いま、ぼくは初の書下ろし本を執筆中です。本全体のテーマは「なぜ料理を作るのがつらいのか?」。そんな状態の人が読んで、救われる、元気になる、そんな本を目指して頑張って書いています。
さて、そんな中でずーっと考えている項目があります。
それは 「ごはんづくりが大変なのは、作り手の問題ではなく、食べるだけ側の問題なのではないか? その解決方法はあるのか」 です。
例えば、パパ友との飲み会など、ざっくばらんな会の時に、パパの料理率を聞いてみると、料理が趣味、とか普段からやっているひとはやっている一方、忙しくてほぼ奥さんにお任せという人も多い。いやパパだけでなく、子どもたちが食事作りに参加しているかどうかもあるかもしれない。後片付けや準備、買い物やゴミ捨てなどの分担があるか、またはママがほぼやっているけれど「おいしい」「今日のごはん何?」など料理について会話があるか、関心があるかでだいぶ違うのではないかと常々思っているのです。

このコロナの自粛期間で、かなりの男性やパパが料理をしていた(している)ことは、なにかの変化になるかも、なのですが、「料理がつらい」ともしあなたが感じていたら、なぜそうなると思いますか?
 どうやったら「作る側」と「食べるだけ側」の問題は越えられると負いますか?みなさんの意見をぜひ教えてください! そして、うちはこうやっています! という体験もぜひ。



コウケンテツさん

料理家。シンプルに素材の味を活かし、作りやすいレシピに定評がある。テレビ、雑誌、書籍などで大活躍。近著に「コウケンテツのだけ弁」(扶桑社)など。

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