カヌー/羽根田卓也選手の取材を終えて〈第2回〉|スポーツジャーナリスト生島淳さんの取材後記

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カヌー/羽根田卓也選手の取材を終えて〈第2回〉|スポーツジャーナリスト生島淳さんの取材後記

取材・文/生島淳 撮影/富貴塚 悠太

カヌー/羽根田卓也選手の取材を終えて〈第2回〉
棒高跳びの棒以上に大変な
カヌーの移動

 いやあ、驚きました。
 カヌーを真っ二つに割って、運搬することがあるだなんて。

 これまで、いろいろな競技の取材をしてきましたが、道具の運搬でいちばんたいへんなのは陸上の棒高跳びです。
 夏のシーズン、日本からヨーロッパへと遠征した選手たちはポールを持って移動するのですが、搭乗する飛行機が小さいと、なんとポールが乗らない場合もあるのです。そのストレスを考えると、気持ちがくじけそうになります。
 しかし今回、羽根田選手の話を聞いて、棒高跳びに負けないほど苦労していることが伝わってきました。
 それでもヨーロッパの夏、カヌーを乗せた車のハンドルを握りながら、高速道路を走る羽根田選手のことを想像すると、彼の人生がとても羨ましく思えます。

コーチのクバン・ミラン氏(写真左)はスロバキア留学時代からの恩師。

コーチのクバン・ミラン氏(写真左)はスロバキア留学時代からの恩師。

 高校を卒業してスロバキアへと渡り、好きなカヌーでヨーロッパを転戦する。羽根田選手は外国語も達者ですから、カヌーというサークルのなかで、友だちもいる。
 日本で生活していると、そんな生活は想像できませんが、羽根田選手は競技者である以前に、とても豊かな人生をおくっているのではないかと思ってしまいます。

 そしてまた、羽根田選手は「職人」でもありました。
 カヌーのセッティングについての話は、「手工業」の世界にも通じ、この競技の魅力が、プレーヤーとメカニックがひとりの人間の中で共存している。そこにあることに気づきました。
 そんな羽根田選手のパフォーマンスにぜひとも注目して欲しいと思います。

取材終了後のリラックスタイムには素敵な笑顔を見せてくれた羽根田選手

取材終了後のリラックスタイムには素敵な笑顔を見せてくれた羽根田選手。
取材協力:PARKSIDE CAFÉ:葛西臨海公園の無料休憩所にあるフードコート。ハワイに本店を構える「アロハテーブル」の人気メニュー、ロコモコやハワイアンパンケーキなどが楽しめる。

第3回へ続く(4月中旬公開予定)

カヌー羽根田卓也選手のインタビュー記事バナー

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どうしてアスリートのメンテ力?

 スポーツに欠かせない水分補給という観点から、読者からご家族のスポーツの話は少なくありません。だからといって、スポーツ番組のようなインタビューではなく、浄水器メーカーならではの視点を考えていたら、道具やカラダのメンテナンスにたどり着きました。

 この連載はスポーツライターの生島淳さんにお願いしています。スポーツ関連のTV番組や雑誌で活躍する生島さんだけに、スポーツファンならご存知の方も多いはず。そんな生島さんですら、スポーツそのものに焦点を当てない取材は、あまりないとのこと。中には、生島さんならではの経験談も登場するようなので、その点もお楽しみに。

生島 淳さん

いくしま じゅん

1967年宮城県生まれ、早大卒。著書に「箱根駅伝ナイン・ストーリーズ」、「エディー・ジョーンズとの対話」など。
生島淳さんの写真