自分好みの日本酒を実際にお店の人と会話をしながら選んでみました!|本当に美味しい日本酒の選び方を教えてください〈第2回〉

Food

自分好みの日本酒を数ある
お酒の中から選んでみたい!〈第2回〉

取材・文/知野美紀子

美味しい日本酒に出会うひとつのきっかけとして、お酒の専門店に行くということを前回学びましたが、それでもやっぱり、陳列された多くのお酒の中から選ぶのはハードルが高い もの。

今回は日本酒初心者であるライターが、実際に自分好みの日本酒を選ぶまでをレポートいたします! 今回も美味しい日本酒は「はせがわ酒店」の後藤みのりさんにご提案いただきます。

お店の人と会話をしながら試飲をして
“私の1本”を見つけましょう。

 point 1 
自分が好きな味のイメージを
お店の人に伝えてみる

“しっかりした味が好き”とか“フルーティーな香りを楽しみたい”というご自分の好みや、“こんな日本酒を飲んでみたいな”というイメージってありますよね。もし、なにを選んだらいいかわからない場合は、ぜひお店の人に自分が飲みたいイメージを伝えてください。店頭には蔵元さんがその時期に飲んでほしいと作られたお酒が並んでいるので、その時期に美味しい日本酒の中から好みに近いものを選んでくれるはずです」

 point 2 
どんな食事と一緒に
日本酒を楽しむのか考えてみる

「日本酒を毎日のご飯の楽しみとしてちびちび飲みたい方もいれば、美味しいお寿司と一緒に日本酒を楽しみたいという方もいるでしょう。ワインはブドウが原料なので、マッチしない食材もあるのは確かです。例えば魚卵は最たるもので、どうしてもワインと一緒にいただくと臭みが強調されてしまいます。でも、日本酒はお米が原料なので、合わない食材を考える方が難しいです(笑)。白米と合わない食材ってなかなかないですよね。でも、日本酒を飲むときのメニューが決まっているならお店に相談をしてみてください。食事と一緒に飲むことで、より旨味がより増幅される日本酒や、魚介にあうキリッとしたものなど、より食事を楽しくしてくれる1本を紹介してくれます」

 point 3 
純米、純米吟醸、純米大吟醸の3種から
自分の好みに合うベースの一本に出会う

「もし、お店の方にリクエストできるなら、自分が飲みたい味のイメージに近いものでまずは“純米”“純米吟醸”“純米大吟醸”の3種を選んでいただくといいかもしれません。この3本の中から、自分のベースになる1本を決めると、 “華やかな香りがいい”のか、“よりお米の旨味を感じるものがいい”のかなど、自分好みの日本酒を探しやすくなります。また、ベースとなる日本酒は自分にとって飲みやすいものということですから、毎日の食事と一緒に楽しんでいただけますよ」

実践編
「私の日本酒、この1本を探そう!」

ではいよいよ実際にはせがわ酒店さんのラインナップから、自分好みの日本酒を選んでもらいます。まずは、自分の好みを言葉にして伝えるところから。

ライター「日本酒初心者なので、よりカジュアルに楽しめて、フルーティーな日本酒に出会いたいです」

後藤「日本酒は昔と比べて、蔵元さんが日々研究を重ねていらっしゃるので様々な味や香りが楽しめるものが増えています。今回はフレッシュでより現代風な飲みやすい日本酒を純米、純米吟醸、純米大吟醸から選びますね

左から純米酒「伯楽星」 純米吟醸「みむろ杉」 純米大吟醸「仙禽」の写真

左から純米酒「伯楽星」 純米吟醸「みむろ杉」 純米大吟醸「仙禽」

<純米酒> 伯楽星 特別純米

後藤「ひとつめは純米酒の伯楽星。こちらは宮城県の蔵元さんのものです。究極の食中酒をテーマに、とことん食事に合う日本酒を追求されています。」

ライター「これは口当たりがすっきりしていて“ついつい飲んでしまう”、そんな飲みやすいお酒ですね。お米が原料なのに、新鮮なフルーツの香りがなぜかします」

後藤バナナのような香りがしませんか? 伯楽星はとてもバランスがいいお酒なので、すーっと喉を通っていきますよね。これをベースに“もっとすっきり、酸を感じる方がいいな”とか“ひと口目からしっかり味を感じるお酒がいいな”などと好みを選ぶといいかもしれません。食事と一緒に飲むとまた味に変化を感じるので、試しに旨味たっぷりのこの煮豆と味わってみてください」(と、おつまみが出てきました!)

ライター「お豆を食べたあとにお酒を飲むと、フレッシュさは薄れて、より日本酒の甘みが際立つような気がします」

後藤「お豆の旨味と日本酒の旨味が相まって、より味わい深いですよね」

<純米吟醸> みむろ杉 純米吟醸 山田錦

後藤「次は、奈良の三輪山に蔵元がある「みむろ杉」です。ここの蔵は大神神社というお酒の神様が祀られている神社のお膝元にあります。大神神社では毎年11月に醸造祈願祭があり、全国各地から蔵元の方が集まり、いいお酒ができるようにお参りされます。この神社のある三輪山の杉で作られた杉玉を皆さんお持ち帰りになられて、蔵に飾っているんですよ」

ライター「そんないわれがある場所と聞くと、よりお酒が美味しく感じます(笑)。造られた工程のストーリーを聞くと、なお、お酒への思い入れも深くなりますね。これは、さきほどの伯楽星より個人的には味も香りもフルーティーな感じがします

後藤「純米吟醸、純米大吟醸となるにつれて、より香りが華やかになるのは確かです。このお酒はりんごや洋梨のような甘みを感じませんか?」

ライター「赤いりんごよりは青いりんごのイメージで、若さを感じます

後藤「フレッシュで切れも良く、お寿司やお刺身に合わせると美味しいお酒かもしれませんね」

ライター「お豆と一緒にいただくと、よりお豆の青さが際立ちますね。魚介や和食ももちろんですが、個人的にはサラダやチーズとも一緒に楽しみたくなるオールマイティなお酒に感じます」

<純米大吟醸> モダン仙禽 雄町

後藤「最後は、こちら仙禽(せんきん)です。栃木県のさくら市というところで造られているのですが、酒造りに使用する水と同じ、水脈の田んぼで育った米「雄町」「亀ノ尾」「山田錦」を使用することで、土地の個性、テロワールを大切にしていてそれがお酒に表現されています

ライター「これは今までのお酒以上に香りも味も、最初から感じることができます。飲みごたえがありますね。でもかすかに酸味も感じるので、日本酒の“どっしりした味”が苦手な人でも楽しめると思います」

後藤「このお酒は甘味と酸をコンセプトに造られており、リンゴ酸という酸が主体のため、よく冷やして飲んいただくのがおすすめです。和食はもちろんですが、洋食との相性もよいので、白ワイン感覚で楽しんでください。」

ライター「お豆と食べても、お豆の青っぽい風味に負けないですね。より、日本酒としての味が豊かになるような気がします」

3本の試飲を経て、最終的に「みむろ杉」を「自分好みの日本酒」としてチョイス。購入しました。
日本酒という固定概念をいい意味で壊してくれるお酒というところがお気に入りのポイント。この1本を家族や友人たちと一緒に飲めば、会話も弾むのでは? そしてなにより、爽やかな果実のような甘みと香りが素晴らしかったのも決め手。

「日本酒を選ぶのは難しい」そう思い込んでいましたが、専門店を訪ねれば、日本酒の作られたバックグラウンドの話を聞きながら、自分好みのお酒を選ぶことができるという、大人ならではの豊かな時間を楽しむことができました。はせがわ酒店では気になったお酒を有料で試飲することが可能です。ぜひ新たな日本酒の世界の扉を今年は開いてみませんか?

はせがわ酒店の店内の写真
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はせがわ酒店も制作に協力した、日本でもっとも厳格な審査で知られるSAKE COMPETITIONの本年度受賞銘柄をすべて掲載した「世界最高の日本酒2019-2020」。今の日本酒のトレンドや、より美味しい日本酒に出会いたい人は必見の1冊です。

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