ペレ信子さんのキッチンテーブルから四季のおもてなし①|気取らな い、でも心に残るおうちでのおもてなしのヒントをあなたに。

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ペレ信子さんのキッチンテーブルから四季のおもてなし①|気取らな い、でも心に残るおうちでのおもてなしのヒントをあなたに。

文/ペレ信子  撮影/升谷玲子

おもてなしは 人のためならず

「おもてなし」とはなんとキラキラした輝きを持つ言葉でしょうか。整然と片付いたおしゃれなダイニングルーム。厳選された食器と良く 磨かれたグラスが並ぶテーブルには、豪華なフラワーアレンジメント が飾られている。キッチンで準備する女性は上質なカジュアルウェア に身を包み、優雅にシャンパンを開ける。
そんなシーンに憧れますが、ではそれを実際にやってみてくださいと 言われたら心のハードルは一気に走高跳のバーくらいに高くなって しまいます。「おもてなし」の言葉がイメージさせる暮らしには憧れますが、少し敷居が高そう。「おもてなし」って、どうしてするものなのでしょうか。そしてどうすれば良いのでしょうか。

私はフランス人と結婚して今は日本に住んでいます。フランス人たち と付き合っていると、しょっちゅう家に呼ばれます。食事、おやつ、お茶、お酒などシチュエーションは様々です。彼らとのそんな時間の大 半は、シンプルな食事とさっぱりしたテーブルセッティングで、いつまでも話し込みたい雰囲気に包まれます。それは、冒頭のようなキラキラシーンとは違いますが、気取らなくて温かく、家だからこその親密な関係が生まれます。そしてその時間は、ずっとあとまで心に残るも のになります。写真に撮りたいと思う間もないくらい楽しいおしゃべりがあり、人生にヒントをくれる話を聞くことも。

人を家に呼ぶのは、その人とたくさん話したいから。もっと仲良くなりたいから。そして食事の時間を楽しんで自分の人生を豊かにしたいから。ということに気がつきました。その目的のためには、必ずし もたくさんの準備をする必要が無いことにも。
人を家に呼ぶのは素敵なイメージを手に入れるためではなく、良い時間を共有するためなのだと思います。そう気づいてから、少し気が楽になり、「おもてなしは人のためならず」と思うようになりました。 おもてなしを自分のためにしてみませんか?

このような、人と人が距離をとる状況になっているいま、「おもてなし」で人を呼ぶことはほとんど困難な状況といえます。でも、事態が 収束した後、誰かをうちに呼んで楽しい時間を過ごしたいという行為は変わらずにあると思っています。
次回、おもてなしの第1回は「家族をもてなす」を予定しています。

ペレ信子さん

ぺれのぶこ

フランスでの企業勤めを経て独立。翻訳、料理、テーブルコーディネートを手掛ける。著書に「フランス流 しまつで温かい暮 らし」(講談社)

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