競泳/中村克選手<第1回>|ストレートアームの王者 花形の100m自由形で世界に羽ばたく

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競泳/中村克選手<第1回>|ストレートアームの王者 花形の100m自由形で世界に羽ばたく

取材・文/生島淳  撮影/笠井鉄正

競泳/中村克 選手 〈第1回〉
ストレートアームの王者
花形の100m自由形で
世界に羽ばたく

競泳の花形種目とされる100m自由形で、世界と同等に戦うのは難しいとされてきました。しかし、その「壁」を打ち破ろうとしているのが、中村克選手です。100m自由形で47秒87の日本記録を持ち、世界の頂点を狙う中村選手の水に対する感覚を聞きました。

中村克選手の写真

 まず、男子100m自由形で47秒台がどれほどすごい記録なのか、情報として押さえておきましょう。2019年から2020年のシーズン、世界ランキングを見てみると、47秒台で泳いだ選手は、世界でたった4人しかいません。陸上競技の男子100mに置き換えるならば、競泳の47秒台は、陸上の9秒台と比較していいかもしれません。
 中村選手は、2016年に47秒99をマーク、日本の競泳界にとって大きな一歩を記しました。そのときのことを中村選手は次のように振り返ります。
「これまで、『日本人は47秒台に手が届かない』と言われてきましたが、ものすごく充実した練習が出来て、『絶対に47秒台は出る』と話していたんです。練習の段階から、それくらいのタイムは必ず出るという感覚があったので。でも、誰にも信じてもらえなかったですね。本番は力むことなく、いい感覚で泳げました。記録は47秒99。うれしさというよりも、これくらい出て当たり前と思いが強かったです」
 47秒台突入は、中村選手にとって通過点にしか過ぎませんでした。2018年には47秒87と日本記録を更新、世界と勝負できる舞台へと突入していきました。
 中村選手の特徴は「ストレートアーム」という泳ぎ方にあります。
 みなさんは、クロールで泳ぐときに、肘を曲げながら水をキャッチしませんか?
 中村選手は肘をまっすぐ伸ばし、腕を棒のようにグルグル回しながら泳ぐのです。これをストレートアームと呼ぶのです。海外の選手では珍しくありませんが、日本では珍しいかもしれません。
「バチンバチンと水面を叩いているように見えるので、『泳ぎ方がきれいじゃない』と言われることもあるんですが、理にかなった泳ぎ方なんです」

ストレートアームで泳ぐ中村克選手の写真

 中村選手の泳ぎは、水しぶきが盛大に上がるので、抵抗が強くはないのかと疑問に思ったりもします。
「腕で水を捉えると、一瞬、水はものすごく硬くなります。でも、僕の泳ぎは水に衝撃を加えることによって、硬くなった水をとらえ、つかみ、水を抑えながらそれに乗り、滑っていく感じなんです」
 ふだんの生活では絶対に感じることのできない、水の感覚。プールの中に敷かれた見えないレール。
ストレートアームでレールを作りながら滑っていく感覚は、中村選手にしか味わえないものでしょう。
きっと、気持ちよく、楽しいのだろうな、っと思います。

中村克選手の写真②
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 スポーツに欠かせない水分補給という観点から、読者からご家族のスポーツの話は少なくありません。だからといって、スポーツ番組のようなインタビューではなく、浄水器メーカーならではの視点を考えていたら、道具やカラダのメンテナンスにたどり着きました。

 この連載はスポーツライターの生島淳さんにお願いしています。スポーツ関連のTV番組や雑誌で活躍する生島さんだけに、スポーツファンならご存知の方も多いはず。そんな生島さんですら、スポーツそのものに焦点を当てない取材は、あまりないとのこと。中には、生島さんならではの経験談も登場するようなので、その点もお楽しみに。

生島 淳さん

いくしま じゅん

1967年宮城県生まれ、早大卒。著書に「箱根駅伝ナイン・ストーリーズ」、「エディー・ジョーンズとの対話」など。
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