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「東京最高のレストラン」の 採点者を紹介・松浦達也さんの巻、松浦さんが気にする「空気」とは?|「東京最高のレストラン」 リアルタイム編集日記<第4回>

Lifestyle

「東京最高のレストラン」
リアルタイム編集日記<第4回>

「東京最高のレストラン」の採点者を紹介する松浦達也さんの巻
「東京最高のレストラン」の本の画像

こんにちは。
レストランガイド「東京最高のレストラン」編集長・大木淳夫です。第4回目となる今回登場するのは、昨年から新メンバーとなった松浦達也さんです。
松浦さんは『dancyu』などの食の専門誌から新聞、雑誌、Webなど各メディアで「調理の仕組みと科学」をテーマに幅広く執筆・編集を行う、フリーエディター兼ライター。
著書『大人の肉ドリル』や『新しい卵ドリル』(ともにマガジンハウス)はスマッシュヒットに。さらに日本バーベキュー協会公認バーベキュー上級インストラクターという肩書きの持ち主でもある松浦さんの食への目線と推しレストランを紹介します。

松浦達也さんの顔写真
松浦達也 プロフィール
1969年東京都武蔵野市生まれ。『dancyu』などの食専門誌から新聞、雑誌、Webなど各メディアで「大衆文化」「食から見た地方論」「調理の仕組みと科学」をテーマに幅広く執筆・編集を行う。著書『大人の肉ドリル』『新しい卵ドリル』(共にマガジンハウス)は重版になる人気レシピ本に。食以外でも経営者や政治家、アーティストの書籍企画や構成を手がけたコンテンツも多数。日本バーベキュー協会公認バーベキュー上級インストラクターでマンガ大賞選考員でもある。店紹介の最後に四文字熟語で〆るのが松浦流。

―松浦さんがレストランの世界に入ったきっかけを教えてください。

原動力は“好きが昂じて”の一言に尽きます。ただ、食を仕事にすると好きなものが食べられなくなるので「食べること」は仕事から遠ざけていたのですが、とある先輩から「そろそろ食をちゃんとやれ」とお叱りをいただき、足を運ぶ店の幅が広がりました。編集者・ライターとして、広く“食”を理解して伝えるために、食の最前線であるレストランの動向やそこにある楽しさを現場で体感することはとても大切なことだと考えています。

―レストランを訪れた際にまずどこを見ますか?

ご店主をはじめとした「空気」を気にします。いい店は、一定の緊張感とやわらかい雰囲気がいいバランスで溶け合っています。背筋の伸びる高級レストランでも、ゆるい大衆酒場でもそのバランスに違いはあれど、一定のやわらかさと緊張感があります。店に筋違いな要求をするようなニュアンスのある「コスパ」という略語が大の苦手ですが、その一方で一皿に過剰なまでの熱量や愛情を込める店はとても魅力的に映ります。

―好きなレストランのジャンルや得意なジャンルは?

肉や卵の本を書いているからか、ステーキや焼肉など肉を重視した業態や、一般のレストランでも肉メニューにまつわる案件が多いかもしれません。とはいえ、客として特定のジャンルに重きを置いているわけではありません。大衆食堂や大衆酒場も好きですし、財布さえ許せばもちろんお高い店も。最近は米についてアップデートするべく、北の方を中心に生産地を巡っています。「東京最高のレストラン」の諸先輩方もそうですが、すべてのジャンルの食、すべての素材をあまねく愛しています。

―11月28日に発売された最新版「東京最高のレストラン2020年度版」に掲載されている松浦さん推し3店を教えてください。

松浦達也好みの3店

  日本料理  
御成門はる(御成門)
若々しさの中に円熟の種が光る注目の日本料理店

「京味」「くろぎ」などで修業を積み、まっとうな和食の仕事を土台に、新たな技法にも意欲的。晩夏に食べた鱧は活けごして、朝に店で神経締めしたもの。そこにひと塩してペーパーを何度も交換しながら水分をコントロール。夜には新鮮さと凝縮感を見事に融合させた、お造りや夏鍋として客に供する。ふくよかにして深い旨味と淡い甘さ。鍋の〆のにゅうめんは、今年の暑さも吹き飛ぶような旨さだった。若々しさの中に円熟の種が光る。爽快巧技。

御成門はるの鱧の出汁しゃぶの写真

鱧の出汁しゃぶ 鱧の旨味も加わった濃厚な出汁でにゅうめんに。


御成門はる
東京都港区西新橋2 丁目9-3

 ウズベキスタン 
ヴァタニム(高田馬場)
現地感、満点!打ちたての「ラグモン」をぜひ

ウズベキスタン料理店。日本語はオーダーくらいしか通じず、カウンターに座る方々も中央アジアから来日された方々がずらり。肩身の狭さすら覚える現地感が実に心地いい。打ち立ての「ラグモン」は提供直後は、讃岐うどんのようなコシだが、テイクアウトではラタトゥイユのようなスープを吸って、福岡うどんのようなやわらかなコシに変貌する。店主はキルギスタンのパン店の3 代目。埼玉で開業した中央アジア仕様ベーカリーが出発点だけに、毎朝焼くというサムサ(羊肉と玉ねぎ入りのパン)やノン(中央アジアのパン)も他にはない味。宗教上の理由で酒類はない。入亜脱欧。

ヴァタニムのラグモンの写真

「ラグモン」しなやかでしっかりしたコシを出す麺打ちは必見。


ヴァタニム
新宿区 高田馬場3-33-3

 中国料理 
福全徳(神楽坂)
誰を誘っても喜ばれること間違いなし!

福臨門出身のシェフの手による焼味(シュウメイ)と点心。焼きにぬかりなく、点心も充実。気軽なランチから夜の豪奢な宴会まで、少人数の会食から大勢での宴会まで、使い勝手のよさ抜群。近年の福臨門の血脈を持つ店舗のなかでは、サービスまで含めた使い勝手の良さは出色。舌の肥えたベテランから、異性、仕事相手など、誰を連れて行っても間違いのない良店。漫歓膳席。

福全徳の明炉焼鴨(鴨の炭火焼き)の写真

明炉焼鴨(鴨の炭火焼き) 噛むほどに濃厚な鴨の風味が沁みる。


福全徳
新宿区神楽坂3-1-26 高井ビル


紙面掲載はされていないけれどこちらも松浦さんイチオシ!

 ワインバー 
水新はなれ 紅(浅草橋)

昨年10 月、浅草橋の誇る大衆中華の雄、「水新菜館」の裏手に突如現れたワインバー(※水新菜館は2020 年版で掲載)。実はワイン好きで知られる水新菜館の店主の薫陶を受けた息子さんが10 年に渡る「トゥール・ダルジャン」でのソムリエ修業を終えて勇躍帰還。 水新菜館の全メニューが店内の秘密の通路から出前できる、奇跡のワインバーをオープンした。ワインはフランスを中心にニューワールドも。ワインと大衆中華というジャンル丸ごと奇跡のペアリング続々。喜酒承継。

水新はなれ紅の揚げワンタンの写真

揚げワンタンは、セニエ法で醸したロゼワインとペアリングを楽しんで。


水新はなれ 紅
台東区浅草橋2-1-1

次回は「東京最高のレストラン2020」
出版記念パーティーの様子をお届けします!
有名店のシェフたちと料理も登場!

東京最高のレストラン 2020の本の写真

「東京最高のレストラン 2020」(ぴあ刊)

創刊から19年。毎年発行されるレストランガイドの中で、最も歴史がある本です。プロの評論家が実名でレストランを採点し、語るス タイルは健在。2019年11月28日に2020年版が発売されました。巻頭を飾る話題の注目店に選ばれたのは、はたしてどのレストランか? 巻末座談会も必読です!