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「とりあえず」でお酒を選んでいませんか?日本人のために作られたお酒、日本酒の魅力を専門家にうかがいます。|本当に美味しい日本酒の選び方を教えてください〈第1回〉

Food

本当に美味しい日本酒の選び方を
教えてください〈第1回〉

取材・文/知野美紀子

年末も近くなり、お酒をいただく機会も増えるこの頃。とりあえずの「ビール!」から、なんとなく「ワイン」、最後に「じゃぁ、日本酒」なんて消極的に済ませている人も多いのでは?

実は日本酒ほど毎日の食生活を華やかに彩ってくれるお酒はないのです! 一方で気軽に日本酒を選べないと思っている方も多いはず。そんなあなたに、自分好みの日本酒を選んで、美味しくいただける方法を、日本酒の専門店「はせがわ酒店」の後藤みのりさんに教えていただきました。


専門店に行けば、
必ず美味しいお酒に出会えます

お酒は好きで、日本酒を飲むのも好き。
でも、実は日本酒の選び方がさっぱりわからず、居酒屋で日本酒リストを眺めては“郷里や行ったことのある場所で造られた日本酒”や“おもしろい名前の日本酒”を選んでいるという人も多いのでは? かくいう私もそのひとり。

日本の風土を生かして造られた、日本人のためのお酒、日本酒。その本当の美味しさを味わって、自分好みの1本に出合うにはどうしたらいいの? 日本酒・焼酎・ワインの専門店で、特に日本酒の品揃えが豊富な、はせがわ酒店を訪ねました。

落ち着いて商品を選べるはせがわ酒店の店内の写真

落ち着いて商品を選べるはせがわ酒店の店内

都内に7店舗あるはせがわ酒店の中でも、大人が楽しめる街として、今また注目をされている日本橋にある「はせがわ酒店日本橋店」は、日本酒や焼酎など和のお酒を常時約700種類揃えているそう。モダンな作りで、店内は軽食とともにお酒もいただけるスペースもあり、仕事帰りの男性はもちろん、女性も入りやすい雰囲気。とはいえ、何も日本酒の知識がないままに専門店に入るのはなんとも気がひけるもの。しかし「わからないというのは、これから自分好みの日本酒に出会えるチャンスなので、ぜひお店に来て店員に話しかけて欲しいですね。」とはせがわ酒店の後藤みのりさんは語ります。

 point 1 
日本酒は30%の特定名称酒と
70%普通酒の2種に大きく分けられる

特定名称酒とは原料、製造方法や精米歩合の基準に則った日本酒
のことで、それ以外が普通酒といわれるもの。そして、普通酒は日本酒といわれるものの中の約70%を占めている普段使いの日本酒。美味しいお酒に出会うファーストステップとして特定名称酒について知っておきたい。「沢山の種類がある日本酒の中から自分の好みの日本酒に出会うためには、まずはカテゴリー分けされている特定名称酒から、自分の好みに合うものを見つけてほしいです。そのためには専門店に行くのが一番近道なんです」


 point 2 
お米だけでできている「純米酒」
醸造アルコールを加えた「アルコール添加」

「30%の特定名称酒を原料で見ると、お米(と水と麹)だけでできている“純米酒”、もしくは純米酒にアルコールを添加しているものに分けられます。“添加”というと印象があまり良くありませんが、決してそうではなく、アルコールを加えることで香りを引き立たせたり、キリっと軽快な味わいにするという効果があり、実は江戸時代から使われている技法です」


 point 3 
お米の精米歩合で
吟醸や大吟醸に変化する

「特定名称酒の中でも『純米』『アルコール添加』と2つに分かれて、さらにその中でそれぞれお米の精米歩合によって、例えば純米酒なら「純米」「純米吟醸」「純米大吟醸」と名称が変わります。お米を食べると旨みや甘みを感じますよね。お米の旨み成分は外側にあり、デンプンだけでなくたんぱく質や脂肪などを含んでいます。ただ、これらが多すぎると日本酒に苦味などの雑味を与えていまうのです。そのため日本酒の製造では精米によってこれらの成分を少なくした白米を使います。お米を磨く(精米)ほど華やかな吟醸香を生みだし、雑味のないクリアな味わいになっていきます。純米よりは純米吟醸のほうがよりお米を削っていますし、純米大吟醸に至ってはお米の半分以上を削っています」


<特定名称酒の種類>

<特定名称酒の種類>の説明図

 point 4 
ワイングラスで
日本酒の豊かな香りを楽しむ

「よりお米を磨いた純米大吟醸の方がクリアな味になるため、一層華やかな香りを感じることができます。実は日本酒のあの果物のような香りは米が本来持っている香りではなく、酵母の発酵によって生まれる香りなのです。最近では自治体や大学などでもさまざまな酵母の研究開発がおこなわれていて、香りや味わい豊かな日本酒が増えています。日本酒の香りを楽しむためにも、ぜひワイングラスなどで日本酒を楽しんでほしいですね」

確かに最近レストランなどでは日本酒をワイングラスで提供してくれるところが増えています。てっきりおしゃれ感の演出でワイングラスを使用しているのかと思っていましたが、実は日本酒の香りを楽しむという、理にかなったサーブ方法だったんですね!


 point 5 
まずは「純米」「純米吟醸」
「純米大吟醸」の
3種を覚えてみよう

「今、日本酒は、従来のイメージよりはるかに楽しいお酒になっています。味もワインのようにフルーティーさを感じさせるものもありますし、発泡酒もあります。しかも、ワインと比較するとコストパフォーマンスもよく、家庭で楽しむにはもってこいのお酒です。封を明けてから冷蔵庫で保存してもらえれば、ワインより美味しさをキープしたまま10日間程度保存してもらえます。まずは『純米』『純米吟醸』『純米大吟醸』の3つを覚えていただき、この中から自分の好みに合うものを探すのはいかがでしょうか?」


日本酒は季節を楽しむお酒
お店には蔵元が
今、飲んでほしいお酒がずらり
「純米」「純米吟醸」そして「純米大吟醸」。3つの日本酒の種類を覚えたものの、まだまだ不安は拭えない。なぜなら、店内を見回すと「新酒」「ひやおろし」……などオススメらしきものが書いてあるのだが、はずかしながら、その違いがまったくわからないのだ。

日本酒「ひやおろし」の説明をする専門家の写真

「ひやおろし」は火入れを蔵内で一定期間熟成させるので、味に深みを感じるお酒に。

日本酒は季節ごとに楽しめるお酒なんです。実は冬は日本酒のシーズンで、新酒が出回ります。秋に収穫した新米を20~25日程度 かけて発酵させ、だいたい11月ごろから新酒を楽しめるようになります。なので、今の時期にお店に行くと“新酒”と書かれているんですよ」

 ん? というと日本酒はワインのようにできたお酒を寝かせないのですか?

「もちろん種類により製造工程で熟成させるものもありますが、この時期の新酒はしぼりたてをすぐに出荷します。実は蔵元さんは季節 に合わせて、春向けに“にごり酒”を出したり、夏ならキリッとしたものなど、その時期に飲んでほしいものを出してくれます。店頭には季 節に合わせた“今飲んでほしい日本酒”が目立つように置いてあるはずです。だからこそぜひ一度は専門店に足を運んでもらえたらう れしいです。きっと新しい出会いがあるはずですよ」

有名な日本酒や蔵元さんを知らないから、知識のないままお店に行くのは気がひける……と、訪問のハードルが高かった日本酒専門店。でも実際に専門店を訪ねて、どんどん質問したほうが楽しい日本酒ライフに入門できそうです。知識も増えて、日本酒の奥深い世界 に少し足を入れることができました。

次回は、実際に店頭でテイスティングをしながら、自分好みの日本酒を探してみます!

世界最高の日本酒2019-2020の本の画像

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