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「まっとうなりんご」で作るりんごのキャラメル煮|山脇りこさんの「自家製」ときどき旅レシピ⑤

Food

「まっとうなりんご」で作るりんごのキャラメル煮|山脇りこさんの「自家製」ときどき旅レシピ⑤

料理家山脇りこさんによる
記憶の中のあの味
記憶の中のあの旅
手づくり& 自家製を大切にする
りこ流レシピです。

レシピ作成・エッセイ/山脇りこ
構成/上坂美穂 イラスト/添田あき
撮影/長谷川潤


りんごのキャラメル煮

秋を待ちかね、旬の早い紅玉で。そのあともさまざまなりんごでつくります。種類によってみんな表情が違って面白い! 皮を少しだけ残して煮ると赤が映えてきれいです。瓶に、グラハムクッキーと交互に入れ、持ち寄りホームパーティーなどにも。冷凍もできますから、朝のグラノーラやパンケーキにのせて長く楽しめます。

りんごのキャラメル煮の写真

R e c i p e P o i n t
これはりんごから出た水分で煮るのが美味しさの秘密。水分が足りなくて焦げるのでは?と思っても、水は足さないで、火加減に気をつけながら煮てください。

材料 〔 つくりやすい分量 〕
りんご3 個
きび糖大さじ8※
黒砂糖(粉末)大さじ3
レモン汁
大さじ2
ラム酒
大さじ1
バター
10g
※上白糖を使う場合は大さじ7

作り方

1.
りんごはくし形の8 等分にし、芯を除く。皮は両端の5 ㎜ほどを残してむく。

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1 をフライパンに並べ入れ、きび糖と黒砂糖を全体にふりかけて30 分ほど置く。

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2 にラム酒を加え、中火にかける。砂糖が溶けて泡のように沸いてきたら、レモン汁を加え、そのまま10 分ほど煮る。

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仕上げにバターを加えて全体に絡め、火を止めてそのまま冷ます。◎冷蔵庫で1 週間ほど。保存袋に入れて空気をしっかり抜き、冷凍庫で1 ヵ月ほど保存可能。

応援買いはしない 「まっとうなりんご」
りんごのイラスト1

 毎年、著名な料理カメラマンのYさんが、親しい人へのクリスマスプレゼント代わりに(たぶん)、ポートレートを撮ってくれる、なんとも贅沢な会がある。
 その年、スタジオを3人の子どもが走り回っていた。机も乗り越える。その様子はなんとも自由&ワイルド。よく見たら、負けず劣らずやんちゃそうなパパと優しそうなママも。すると急に、女の子が晴れ着に着替えた。最後にはにかみながら髪飾りをつけた。
「おお、七五三の記念写真か!」
 その家族が、長野県の須坂市でりんごを作っている北信ファームの北澤さん一家だった。銀行員(かなり大手)をやめて就農し、ほぼ自給自足の生活をはじめたという。聞けば聞くほど、驚きとともに共感する話。そのりんご買います! と言いたいところだけど、いや、でも、私は、応援買いはしないことにしている、と思いとどまった。
 正確には、応援買いはしてはいけないと肝に銘じているのだ。3.11の後からだろうか? 生産者から直接買うチャンスや場が増えたように思う。私もはじめは嬉々としていろんな形の「直接買う」に参加していた。気持ちの中に“応援“があった。だけど、ただの応援は続かない。

りんごのイラスト2

 ある時、地元長崎の農家の方から、メディアに取り上げられてすごく売れて畑を増やしたら、翌年から全く売れなくなって借金が残った、と聞いた。なんだかストンと納得した。以来、物語があって心惹かれても、応援買いはやめた。
 翻って、北信ファームだ。Facebookでお友達になって見ていたら、あの子たちが、りんご畑を走り回っている。りんごをほおばっている。安全さと誠実さが、こぼれんばかりの笑顔から感じられた。
 うちは、母も義母もりんご好き。いつも美味しいりんごを探している。続けられないかもしれないけど、と思いながら、翌年、1箱だけ買ってみた。
 そうしたらびっくり。甘さと酸味のバランス絶妙で、新鮮でみずみずしく美味しい。義母にあげたら、あのりんご、どうしたら買えるの? と聞いてきた。翌夏は、ネクタリンを買ってみた。人生ベスト1のネクタリンだった。応援ではなく、欲しい! 以来、いつも楽しみにするようになった。

リンゴの木のまわりを駆け回る子どものイラスト

 今年9月、東京に最大級の台風19号がやってくるとのニュース。Facebookを見たら、北信ファームでは台風前に、まだ少し早いけど、収穫できるだけりんごを収穫するという。長野で?
 結局、長野は大きな被害にあった。北澤さんは、早めに収穫したりんごを、完全だと思えなかったのかもしれない、格安で販売した。「みなさんありがとう。」と、かろうじて被害を免れた畑からメッセージが届いた。
 うちにも予定より少し早く収穫されたりんごが届いた。半分はそのまま毎朝食べた。半分はキャラメル煮に。
 心から、応援したいと思った。

りんごのイラスト3

山脇りこ著いとしの自家製レシピの本

山脇りこ
「いとしの自家製 手がおいしくするもの。」(ぴあ)
梅干し、ぬか漬け、白菜漬け、明太子、パテ・ド・カンパーニュ、白あん、粒あん……。一度は挑戦してみたい自家製からマヨネーズのような日常の自家製まで、安全でおいしい手作りレシピを100品掲載。

from c.c.cafe

どうして「自家製 ときどき旅レシピ」?

おいしかった料理を「どうやるんだろう? 自分で作ってみたい」と思うのは、どんな人にもある経験ではないでしょうか。旅の好きなりこさんは、旅先で出会った料理の記憶をいかして、りこ流に再現してみるそうです。それは日々の料理でも同じ。特に保存食は市販品で済ましてしまうのではなく、自分で素材を選んで作っ てみることで、新しい発見があります。この連載は『いとしの「自家製」 手がおいしくするもの』(ぴあ刊)のレシピを中心に、海外やりこさんの故郷の長崎をはじめとした国内の旅の風景を綴るエッセイとともにお届けします。


山脇りこさん

やまわき りこ

料理家。料理教室「リコズキッチン」主宰。旬の食材と丁寧にとっただし、伝統的な製法の調味料で作る、シンプルでセンスのよい料理が得意。自家製の味噌や梅干し、調味料作りはすでに生活の一部で、レッスンでも積極的に教えている。NHK『あさイチ』ほかTV 出演多数。


山脇りこさんの写真