「コウさんの料理は簡単でおいしそうだけれど、何よりも盛り付けや食器のセンスがいいなあ、といつも参考にさせてもらっています」(メールより)。
みなさん料理の盛り付けには悩んでいる!?
撮影/山家学 文/北條芽以 スタイリング/岩﨑牧子


僕も料理の盛り付けに自信があるわけではないんです。ただ、場数はこなしているのでわかってきたことはあります。なんといっても、盛り付けるときに迷ってもたもたしないこと! 思い切りよくしたほうが絶対おいしそうに見えます。ダラダラと何度もやり直しているうちに冷めてしまったり、見た目にも勢いがなくなってしまいます。ほかにもいくつかコツがあるのでご紹介しましょう。


お皿に料理を盛ってから、真ん中や中央に薬味などをあしらいます。「まだ誰も箸をつけていないものをどうぞ」という意味になり、おもてなしの気持ちが伝わるのです。アジア的な盛り付けのポイントです。



特にリム(ふち)のあるお皿の場合は、リムには料理をのせず、余白を作ると上品。仕上げになにか散らす場合はリムにのっていても動きが出ます。

リムのないお皿は、あえてギリギリまでみっちり盛るのも勢いがあって◎。特に大皿料理などは「たっぷり十分にある」という印象になります。

お皿の選び方もポイントです。リムのあるお皿は上品なイメージで、銘々で食べる料理を盛り付けるときに。たっぷりの唐揚げならリムのない大振りな皿に大胆に盛り付けたほうがおいしそうに見えます。




おいしそうに見せる大切なポイントです。立体的に盛り付けるとご馳走感が増します。大きめの食材なら意識して高さが出るように重ねて盛る、パスタならひねるように盛るなどちょっとだけ意識してみましょう。



左手に持っているのが“料理家サーバー” の異名を持つ大きなスプーンです。料理家を名乗るなら全員1 本は持っているという噂(笑)。こちらは金属製ですが、シリコン製もあります。サーバーで鍋からたっぷりととって、菜箸で調節しながらお皿に移すのが基本になります。


盛り付けは一瞬です。しかも、そのまま食卓に上がるので、プレッシャーもよくわかります(いや、誰よりわかるかも!)。「きれいに、おいしそうに見せたい」という気持ちと、「勢い」や「大胆さ」を同時に。そして、手になじむ道具や、盛りやすいお皿選びも大事です。きっと、「習うより慣れろ」。たくさん作って、たくさん盛り付けてみてください。
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どうして
レシピd e アンサー?
レシピの撮影中でも、コウケンテツさんはいつも笑顔で、これまでの経験や知識を惜しげも無く披露してくれます。
そのどれもが役に立つので、読者の皆さんにできるだけたくさんお伝えしたいなあという気持ちと毎回届く何千通の質問を可能な限り届けたいなとの想いから、このコーナーはできました。
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コウケンテツさん
料理家。シンプルに素材の味を活かし、作りやすいレシピに定評があり、テレビ、雑誌、書籍などで大活躍。近著に「コウケンテツのおやつめし2」(クレヨンハ
ウス)など。
