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母アスリートとしての
土田和歌子選手に迫る

スポーツ関連のT V 番組や雑誌で
活躍する生島さんが
アスリートの道具や
カラダの
メンテナンスに迫る。
取材・文/生島淳  撮影/岡本寿

 トップアスリートとして長く活躍してきた土田選手ですが、もうひとつの顔があります。
 家庭人でもあるのです。
 いま、土田選手には中学1年生になる息子さんがいます。
「アスリートとして活動している間に結婚、そして出産を経験しました。息子が生まれたのはアテネ・パラリンピックが終わり、北京パラリンピックへと向かう時期でした。産んでから7か月で競技生活に復帰したんですよ。子どもが小さい頃は、周囲の方にご協力をいただいて、息子と一緒に合宿に行ったりしました。100パーセントの育児というものがあるのかどうか分かりませんし、自分には完璧に出来たとは思えませんが、離れている時間があるからこそ、息子と一緒にいる時間はとても大切でした。でも、いま振り返ると、合宿で一緒だと息子が何をしているか、気になってました(笑)」

土田選手のように結婚、出産を経て活躍している女性アスリートも増えている。


 息子さんが小学校に上がってからは、土田選手が合宿になると、お父さんと一緒にお留守番。家族にとって、それぞれの時間が始まったのです。
「母親が合宿でいないことも、子どもの時から経験しているので、『そういうもの』として受け止めてくれているのかな、と思います。離れている時間が長い分、一緒にいる時はいろいろと世話を焼きたくなりますが、息子とはいえ、自分とは違う道を歩むわけですから、成長を見守っていくという姿勢でいたいと思います」


外でのトレーニングも含めて、週6日の練習。オフも大切だという。


 家庭についてはしなやかに、自然体で過ごしてきた土田さんですが、競技者としては競技環境の整備、改善に努めてきました。
「障がい者のスポーツは競技環境が整えられていたわけではありませんし、ロールモデルとなるような人がいたわけでもありません。結局は、理想とする環境を自分たちで作り上げなければならなかったんです。所属する会社の理解も得て、2年前にようやくトレーニング室を作ることが出来ました。一歩ずつ進んできた感じですね」


海外での試合も多い。アスリートとして、家庭人として、大忙しの日々。

 競技者として、母として、土田さんはパイオニアとしての役割を果たしてきたのです。それを見てきて息子さんは……。
「私がメダリストとして公の場に出たり、目立ってしまうのが、どうも気になるようです(笑)。中学に入り、息子はサッカーを始めたばかりです」
 またひとり、土田家の中にアスリートが誕生したわけです。「そういえば、わが家ではタカキさんのお水、飲んでるんですよ」
 体のメンテナンスも、土田家ではみんな水から始まるのです。




どうしてアスリートのメンテ力? 

スポーツに欠かせない水分補給という観点から、読者からご家族のスポーツの話は少なくありません。
だからといって、スポーツ番組のようなインタビューではなく、浄水器メーカーならではの視点を考えていたら、道具やカラダのメンテナンスにたどり着きました。

この連載はスポーツジャーナリストの生島淳さんにお願いしています。
スポーツ関連のTV番組や雑誌で活躍する人気ジャーナリストだけに、 スポーツファンならご存知の方も多いはず。
そんな生島さんですら、スポーツそのものに焦点を当てない取材は、あまりないとのこと。 記事の中には、生島さんならではの過去の取材経験談も登場するようなので、その点もお楽しみに。


生島 淳さん

いくしま じゅん

1967年宮城県生まれ、早大卒。五輪は1996年のアトランタ大会から取材。著書に「箱根駅伝ナイン・ストーリーズ」、「エディー・ジョーンズとの対話」など。