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c.c.caféデザイン制作の舞台裏
デザイン会社 fairground(フェアグラウンド)

c.c.caféの制作の裏側を大公開!
c.c.caféエディターズノートvol.3
ーデザイン会社ー
fairground(フェアグラウンド)の皆さん

取材・文/上坂美穂  撮影/富貴塚悠太

皆様が手に取ってくださるc.c.café をデザインしているのがデザイン会社 fairground(フェアグラウンド)の皆さん。アートディレクターの高村雄介さんは「ELLE Japon」「Herper’ s BAZAAR」「VOGUE HOMMES JAPAN」など、ファッション誌のデザインを多く手掛けてきました。読みやすく、洗練されたデザインスタイルは、やはりファッション誌で培われたものなのでしょうか? c.c.caféスタッフも意外に知らなかったデザインの秘密に迫りました。


プロフィール

アートディレクターの高村雄介さん(中央)は90 年代よりグラフィックデザイナーの仕事をスタート。複数のデザイン会社に勤務、海外での仕事も経てデザイナーとして2001 年に独立、デザイン事務所フェアグラウンドを立ち上げる。c.c.café のデザインに2011 年より携わる。根村深さん(写真左)は15 年より、道幸ともさん(写真右)は17 年よりc.c.café のデザインに携わる。

― ELLE Japon Herper’ s BAZAAR VOGUE HOMMES JAPANなど、ファッション誌は、c.c.café とは判型(誌面の大きさ)も違うし、扱う内容もファッションvs様々な読み物というまったく違うジャンルなのですが、デザインするときに違いはあるのでしょうか?

ファッション誌とc.c.café、それぞれのデザインをする上で共通しているところはたくさんあるのです。基本的なフォーマットを作るということ、内容を分かりやすく伝えるということ。そればどんなジャンルのデザインでも変わらないんです。

―c.c.café のデザインで心掛けていることは何ですか?

整理してできるだけやさしく伝える、ということでしょうか。編集者が集めてきた素材をデザイナー目線で再編集することでこの小さな誌面に最適な情報量を配置することができます

c.c.café の取材が始まる前に、高村さんは編集者と「今回の特集のテーマにそって、どんなコンセプトでどんな写真を撮るか、誌面をつくるかを打合せします。
たとえば、71 号の「森が水を作る」。これはきれいな水を作るのは豊かな森である、という啓蒙的な内容を持っていますが、同時に楽しく、わかりやすくもしたい。
そこで、実際にその活動に携わっている大学生や町の人々にボードを持ってもらい、「人の顔が見える」メッセージを載せるということにしました。
何センチの幅のどんな素材のボードを用意するかまで打合せをし、編集者が東急ハンズで買い出しに。当日は森の中でボードを持ってもらって 撮影し、そこに「森が水を作る」の字をデザインで載せました。


―足掛け8 年、24 号分をデザインしてもらっていますが、楽しいことは? また、大変なことは何ですか?

どんどん変わっていく編集現場や取材現場なので、当初と違う方向でまとめなければいけないこともあります。でも、その都度、方向性を見直して振り返って、タカギさんと一緒に誌面を作っていけることがよいですね。ちゃんと見直す機会と時間をとって、一番いいものを目指すという意識がクライアントと一緒に持てるというのはありがたいことだと思っています。また、読者のみなさんのメールやはがきなどの反応も、まめに伝えてもらえるのでそれはとても励みになりますね。

―高村さんにとってデザインとは何でしょうか?

デザインは、……産業ですね。自分にとってはコミュニケーションの方法でもあります。だから自分は産業と個人の間の接点というのかな。その間をつなぐものだと思っています。

―好きなデザイナーはいますか?

直接影響を受けたのはやはり自分のデザインの師匠でもある藤本やすしさん。あと、ファビアン・バロンとか。ファビアン・バロンは「VOGUE」などを手掛けていたデザイナーです。華美なものではないが強くてシンプルなデザインが好きですね。それをいつも目指しています。


―ところで、高村さんもタカギユーザーですよね?

はい、自宅でも浄水をぐいぐい飲んでいますよ。タカギユーザーなので自分の家にも冊子が届くので、そのときはc.c.café の一読者のつもりで開封はしますが、あらためてユーザー目線でデザインを見てみようと思っても、やはり自分に近すぎて……(笑)。一般読者の皆さんとは、やはり違うかな。

―紙の上のデザインと、web のデザインは違いますか?

web のデザインは仕上がりがそのままです。web で完結するので完成途中と完成後に差がない。そのまま仕上がってくるのでクライアントサイドも驚きがないですね。でも紙だと違う。印刷されてあがってくると、「おおー、この紙の手触りがいいね」「インクがしっかりのる紙だな」なども含めて、いい意味で違うものに化けていることがあるのです。それが面白いところですね。仕事の手順でも、仕上がりが紙になるデザインなら、かならず仕上がりの誌面の大きさにプリントアウトして確認するんですよ

―これからの時代デザインって、また変わっていくのでしょうか?

そうですね、やはりデザインの歴史にはMacの登場は大きかったですね。紀元前と紀元後かなと思うぐらい違ってくるように。この後は……でもこの話は長くなるので、また!


デザインの秘密は?というストレートな質問に
「自分の見てきたものがデザインにつながる」と、高村さん。
誌面のデザインには、デザイナーの皆さんが見てきたたくさんのモノが反映されているのですね。

―それでは、皆さんがいま関心あるもの、気になるものはなんでしょうか?

高村さん
以前から注目しているアーティストはオラファー・エリアソン。2020 年、東京でも個展が開催されるのが楽しみです。もっと先の話のようですがイケアから発売されるコラボ商品(小型発電装置)も忘れないようにしたいです。

根村さん
作家の金井美恵子が好きです。金井美恵子が最近読んだ本として話題にしていたケイト・ザンブレノ『ヒロインズ』が気になっています。

道幸さん
趣味はサーフィンで毎週末海に出掛けています。来年の東京オリンピックでサーフィンが開催されるので楽しみにしています。それから、森美術館で開催中の『塩田千春展:魂がふるえる』が気になっていて、見に行かねばと思っています。

3 人に「いままで自分が手掛けたデザインで好きなc.c.café の号」を持ってもらいました。皆さんのお宅には、ありますか?


from c.c.cafe

どうして舞台裏? 
どうしてw e b だから?

c.c.caféは、浄水カートリッジの同梱される会報誌です。こうした会報は数あれど、70%を越す閲読率や毎号2万通を超えるレスポンスは、確かに珍しいのかもしれません。

そのおかげか?最近『どうやって制作しているのか?』尋ねられることが増えてきたので、それにお応えするコーナーを作りました。
c.c.caféの慢性的な悩みは、ページ数が限られることです。本音は、もっと伝えたくなるエピソードが沢山ありますが、残念ながら、ボツ…になることネタのほうが多いかもしれません。

中でも、ボツになりやすいのが、裏話です。そして、その結果、あの特集には、『こんな背景や想いがありました』といったエピソードが消えてしまう分、制作現場の温度感が伝わりにくくなっている気がしていました。

だからこそ、ページ数の制約が比較的少ないwebだけに、最初に設けたいと思っていたのが、 舞台裏コーナーです。これを通じて、少しでも、制作スタッフの想いが伝われば、同じコンテンツから違う景色が見えてくるかもしれませんね。